今年、通所介護が整理しておくべき3つのこと

通所介護・地域密着型通所介護の現場が
「忙しいのに楽にならない」理由を、
5つの課題が連鎖する構造として整理しました。
では、こうした構造を前提としたとき、
今年1年で何を判断し、何を整理しておくべきか。
本記事では、
すぐに答えを出すための施策ではなく、
2026年以降につながる“準備としての整理に焦点を当てます。
なぜ「改革」ではなく「整理」が必要なのか
通所系サービスを取り巻く変化は、
- 人材不足
- 総合事業の進展
- ICT・生産性向上の要請
- 介護予防・重度化防止の重視
と、複数同時進行で起きています。
この状況で「何か新しいことを始める」よりも重要なのが、
現状を正しく把握し、無理のない判断軸を持つことです。
そのために必要なのが「整理」です。

自事業所の役割を見直す
誰の、どのフェーズを支えているのか
まず整理すべきは、
自事業所が主に支えている利用者像です。
- 中重度者の生活を支えているのか
- 軽度者・要支援者との関わりが中心なのか
- 家族介護者のレスパイト機能が大きいのか
これは理念の話ではなく、
実際の利用実態・職員の負担感から確認することが重要です。
強みと限界を言語化する
役割整理では、
「できること」だけでなく
「無理に抱えなくてよいこと」も明確にします。
- 人員体制上、これ以上広げられない領域
- 地域資源として他に任せた方がよい役割
これを言語化することで、
判断が感覚論から構造的なものに変わります。
軽度者・総合事業との関係を見直す
関わり続けるのか、役割を分けるのか
第2回で整理したとおり、
要支援者・軽度者支援は
総合事業を中心とした枠組みに位置づけられています。
今年整理すべきなのは、
- 軽度者支援を積極的に担うのか
- 役割を分け、連携に重点を置くのか
という スタンスの明確化 です。
地域差を前提に考える視点
総合事業は市町村主体であり、
地域差が避けられません。
そのため、
- 他地域の成功例をそのまま真似する
- 制度論だけで判断する
のではなく、
自分たちの地域の実情を前提に考えることが不可欠です。
記録・計画・評価の運用を見直す
「書類」になっていないかを点検する
多くの通所系サービスでは、
- 記録は記録
- 個別支援計画は計画
として存在し、
現場で十分に活用されていないケースが見られます。
今年は、
- 誰が
- 何のために
- どう使っているのか
という視点で、
運用を点検することが重要です。
無理なく回る仕組みづくり
すべてを高度化する必要はありません。
- 記録と計画をつなぐ
- 振り返りのタイミングを決める
- 職員間で共有できる形にする
といった 小さな整理 だけでも、
現場の負担感は変わります。
今年は「決断」より「下地づくり」の年
小さな整理が将来の選択肢を広げる
今年は、
- 事業転換
- 大規模投資
- 体制の大変更
を必ずしも行う年ではありません。
しかし、
整理を先送りすると、選択肢が減っていく
というのも事実です。
来年以降につながる準備として
今年の整理は、
- 2026年以降の制度変化
- 人材状況の変化
- 地域ニーズの変化
に対応するための 下地づくり です。
まとめ|今年は「見極めと整理の年」
通所介護・地域密着型通所介護は、
今まさに 再設計のフェーズ にあります。
今年求められるのは、
- 無理に変わること
ではなく - 正しく整理すること
です。
- 自事業所の役割
- 軽度者支援との距離感
- 記録・計画・評価の運用
この3点を整理することが、
2026年以降の判断を支える土台になります。